虫喰い穴との格闘
虫喰いによる被害により、レースの編み物の様になってしまった紙。記録によると1400年代の半ばに原本から書写したと記されているこの資料は、およそ5mほどの長さの巻物に仕立てられていたが、激しい虫損の上、利用による汚損や損傷も生じているため、今回修復することになった。
虫損の激しい資料は、必要に応じて定着力の補強処置や洗浄などを行った後、細い枝や小さな島状になってしまった紙の断片を保護するために資料の表側から紙を仮接着(表打ち【おもてうち】と呼ぶ)して解装、古い裏打ち紙を除去する。古い裏打ち紙の除去に際しては、微細な紙片も余すところなく、傷つけず、取り除かない様に、少しずつ、慎重に作業を進めてゆく。
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