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2019年2月

2019年2月27日 (水)

返却準備

1月の始めから続けてきた仕事も無事に終了し、返却の準備をしている。額や掛軸に装幀した作品の取り扱いは比較的に便利で、たいていの場合は専用の収納箱も作るので、安心して移動、搬送することができるが、装幀しない一枚物の絵画や資料は取り扱いが難しい。折りたたんだり、丸めたりすることもできないので、平らにして運ばなければならないし、大きなサイズの作品の場合は結構苦労する。

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◉版画作品や古地図など、一枚物の作品や資料の移動や搬送に際しては、
一枚ずつ清潔な紙で包み、強度のある材料で挟んで固定するのが良い。
挟んだものの中で、作品が移動しないようにすることも肝心だ。

2019年2月 4日 (月)

1月の仕事

月の仕事今年は年始から100号を超える作品が数点持ち込まれた。いずれも額装幀されていたが、不良な額材料によって作品が汚染されていたため、古い額を解体して作品を分離し、下張り紙や裏打ち紙を取り除いた後、描画部の定着補強や洗浄など必要な処置を行って、改めて裏打ちを行なった。

 

東洋の絵画は薄い紙や絹織物に描かれていることが多く、このままでは取り扱うことが困難なので、ほとんどの場合、背面に薄い紙を貼り付けてある。『裏打ち』とは、絵絹や画用紙の裏面に紙を貼り付ける作業や貼り付けた紙を指して言う。

 

汚染された作品は大抵の場合、作品に密着した裏打ち紙も汚染されているので、これを取り除くことはとても大きな効果がある。 けれども裏打ち紙の除去作業は難儀、困難なケースが多くて、接着剤がなかなか溶解できないことも少なくないし、経年による劣化が進み、激しく傷んだような作品に施された裏打ちは、作品本体をさらに傷つけないように取り除くのがなかなか難しく、肉体的にも精神的にもキツイ仕事になることが多い。

 

20190204

 

 

 

◉一通りの処置を終えて仮張りに張り込んだところ。大きな作品の修復処置は結構な根気がいる。

 

 

 

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