仮張りの清掃と修理
仮張りとは襖状のパネルの表面に柿渋を塗布したもので、東洋絵画の修復、表装作業に欠かせない道具。裏打ちした作品の周囲(対象よりも少し大きめな裏打ち紙を使って糊しろを作っておく)に糊づけをして固定し、裏打ちによって湿って伸長したものが、乾燥過程で収縮する作用を利用して、ピンと平滑に仕上げる。 この仮張りは、何年も使っていると仮張り表面に糊しろとしていた紙や紙繊維が堆積し、多少なりとも表面が凸凹になってくるので、数年おきに、状態を見てこの紙くず、繊維くずを取り除いて綺麗する。私の工房では、結構多様なものを修復しているので、図らずも仮張りの表皮を傷めてしまうことがあるので、必要に応じて修理をし、柿渋も塗布する。
今年は大小合わせて6枚程の清掃、修理を行った。
柿渋を塗布したものは1〜2ヶ月ほど置いてから使用する。