7月の末から六曲一雙の屏風に装幀された絵画作品12点の修復を続けている。絵画本体の基本的な処置はおよそ終えて、今月より修復した絵画を再び固定する新たな屏風下地の制作をはじめた。屏風は下張りも大切ではあるが、屏風として成立するための一番重要な要素が蝶番。この蝶番は厚手の和紙を使ったもので、一般に知られている蝶番(例えばピアノの蓋についている様な蝶番)とは異なって、蝶番の支点が移動し、前面、背面と自由に折り返し、展開することが出来るスグレモノ。
この屈曲方法を考案した人は定かではないが、スグレタ人物だったに違いない。