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2018年4月28日 (土)

ベニヤ板に注意

額の裏板や額内部の主要構造にはベニヤ板が使われることが多い。ベニヤ板はほかの材料に比べ、安価で適当な強度が得られるため、家屋など建築物にも多用されている。ベニヤ板は薄い木板を繊維の方向を変えて何層か重ね、接着したもので、接着剤のほか、保存材や防虫剤など様々な薬剤が含浸しており、ここから発生するガスは健康被害も及ぼす。ハウスシック症候群という言葉も、すでに多くの人が聞き慣れた言葉だと思うが、ベニヤ板を使った額に納められた資料や絵画作品も健康被害を受ける。額の内部は家屋から比べると遥かに空間が小さく、おまけにベニヤ板は通気性がないから発生したガスは溜まる一方。長い年月を経ると変色も来たし、接触していたものも汚染させてしまうので、とくに貴重な作品への利用は避けたい。

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◎ベニヤ板が接触していた賞状とその賞状が納められていた額(裏面)。

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