ゼオライト不織布
掛軸を箱に収納する際、従来は羽二重折りの絹布や和紙で包んで納めていた。いずれの材料も適度に湿気を吸収する緩衝材として、あるいは箱の木材より発生するガスや灰汁、ヤニなどから保護する(直接触れさせないようにする)目的から使用してきたが、最近はゼオライトと呼ばれる鉱物が配合された不織布を使うようにしている。このゼオライトは、日本では沸石【ふっせき】と呼ばれ、活性炭のように結晶構造中にたくさんの空隙を持っており、ガスや匂いを吸着する高い性能を備えている。
掛軸装幀時に使用する和紙や糊は、独特な匂いのあるものもあるが、この不織布でしばらく包んでおくと、ほとんど知覚出来ないくらいになる。
◎この布は薄くてしなやかなので、容積に余裕がある場合、空間がある場合は
商品名 "Gas Q" 株式会社 資料保存機材 < http://www.hozon.co.j >より購入できます。
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