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2017年7月27日 (木)

作品を分離する

厚い台紙に貼られた絵画作品の分離作業。この作品はもともと画帖(折り本。御朱印帳のような形態の本)の装幀形態となっていたもので、水墨画を描いた料紙が添付されていたが、本の内部に黴が発生したため、作品本紙を分離する事となった。

作品を固定する台紙は厚く、固く、一方の添付された作品は薄くやわらかい。伝統的な工法で作品が裏打ちがされている場合は、背面から水分を与える事で接着剤は緩み、裏打ち紙を取り除く事が出来るのだが、このように厚く、固い紙が作品背面に固定されている場合は、作品の分離が困難になる事が多い。裏面の紙は繊維の密度も高く、簡単に水が浸透しないので、水にアルコールを混ぜ、浸透を促すなど工夫が必要になる。

作品を痛めぬように少しずつ、慎重に背面の紙繊維を取り除いてゆく作業は、小さな作品でも結構な時間が必要となり骨が折れる。

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つい先日まで、うだるような暑さが続いていた東京だが、ここ数日は曇空が続き、何やら不順な天候のこの夏。

どうぞ皆様ご自愛ください。

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