ブックマット装幀
今週は絵画作品のマット装幀作業を進めている。マット装幀とは、積層させた厚手の硬い紙に作品を挟み、画面側に窓を開けたもの。この状態で額装幀することもできるし、このまま保管したり展示したりすることもできる。
薄手の紙に描かれた絵画や版画作品、 経年によって劣化、脆弱化した作品や資料は、マット装幀することで直接接触せずに取り扱うことができて安心。マット用紙も酸性物質や不純物を含まない安全なものを使うことで保存性能が向上する。
◎写真のマット装幀は『ブックマット』と呼ばれる仕様。
作品の大きさ(有効画面)にくり抜いたウインドウマットと、
作品背面にあてがうバックボードの一辺にヒンジを取り付け、
本のように開閉ができるようにしたもの。
このようなマット装丁は作品本体へのアクセスも容易で、
作品の固定方法によって背面の観察も出来る。
マットカッターは市販のカッターと自家製の定規を組み合わせた
ものだが、高い精度で裁断、くり抜き加工ができる。
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