模写実技
ずっとやりたかった模写をはじめた。ただ制作してもつまらないので、勉強と実験を兼ねて黄金テンペラの技法を使って支持体をつくり、背景に金箔を貼って中央にダヴィンチのモチーフ(大天使ガブリエル)を模写してみた。仕事以外で絵具を使ったのも久しいし、白亜の下地づくりや金箔の背景をつくるのも結構面白かった。
支持体はシナ材のランバーコア(合板)を芯に、表面に薄手のキャンバスを膠で貼り、その上に何層も膠で溶いた白亜(炭酸カルシウム)を塗り重ね、真っ平らに削ってボーロ(金箔下地材)を塗り、金箔を使った背景をつくった。過去に漆箔による金箔押しは幾度となく経験しているが、金箔押しは何度やっても難しい。大小様々に裁ち落とした(余った)金箔を使ったので、多少雑な感じも『味』として受け入れることにする。
ダヴィンチの作品も見れば見るほどに手が込んでおり、同じようにはマネできない。所有していた画集の写真解像度も悪かったし、私の技量ではここまでということにして、次回はどんな作品の模写をしようかと思いを巡らせるのもまた楽しい。
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