フォト
無料ブログはココログ

« 森鴎外『舞姫』自筆原稿 | トップページ | 模写実技 »

2016年8月29日 (月)

『仏像再興』

信仰の対象となり、人と社会によって特別な価値(生命)を与えられた仏像の修復は、私たちの日々取り扱う芸術作品や歴史資料のそれとは、その物質的な大きさや重量もさることながら、比べることのできない取扱いの困難さがうかがわれる。

本書は仏像修復の方法論や技術解説書としても読みやすく、興味深いものとなっているが、仏像を取り巻く人と社会、今日に至るまでの数奇な歴史から、仏像の存在価値をあらためて知り得ることができる良い1冊。

そして、私たち修復家自身が、修復という活動を『再考』させられる1冊でもあるかと思う。

20160829

◎『仏像再興』牧野隆夫 著 山と渓谷社 ISBN978-4-635-33067-1  価格1,800円+税

 

« 森鴎外『舞姫』自筆原稿 | トップページ | 模写実技 »

保存修復」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 『仏像再興』:

« 森鴎外『舞姫』自筆原稿 | トップページ | 模写実技 »