安田靫彦展
親しい友人らと安田靫彦展に出かけた。彼は大正から昭和に活躍した日本画家で、日本の歴史、古典を題材にした傑作を多く残している。今回の展覧会では、14歳で画家を志し、本格的に活動をはじめる20代から最晩年までの作品を鑑賞することができる。安田作品の特徴であるしなやかで揺るぎのない描線、軽やかで美しい色彩にはきっと多くの人が魅了され、80歳を過ぎてもなお衰えを感じさせない筆勢には驚かずにはいられないだろう。
私が最も見たかった風神雷神図(二曲一双屏風)は、有名な宗達や光琳のそれと比べれば、なにもかもが簡素化されていて、一見してとても静謐な印象となっているのだが、じっと眺めていると、その中から妖気の様なモノが沸き立つ様。安田靫彦が絵画に求めた精神性を感じ取ることができる一枚かと思う。
◎安田靫彦展
於:東京国立近代美術館 2016年3月23日から5月15日まで。
この美術館は北の丸公園の一角にあり、そろそろ桜も見頃になるだろう。 ぜひ、合わせてどうぞ。
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