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2015年12月23日 (水)

カビの絨毯

よく見ると絵画の一部が盛り上がっている。一見すると、まるで絨毯の様にフサフサした感じだが、この部分を顕微鏡で観察するとカビの菌糸がびっしりと繁殖している。この作品は展示利用されることもなく長くしまわれていた模様で、その際に帯湿したようだ。幸い、絵具が比較的堅牢なようで、彩色部分の変質は免れてはいたが、絵具のない余白の部分も犯されて、こちらは変色を来していた。

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この寒い時期、額の内側や外側に結露が発生する。結露した水分は時に作品を汚し、鑑賞の妨げになる様なシミをつくることもあるし、カビの繁殖のもとともなるから注意が必要。 額に取り付けられたガラスの結露痕には、黴が生えることが多いので、日頃から定期的に観察をすると良い。何か異変に気づいたら専門家にご相談を。

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