波打ち変形と亀裂
紙に描かれることの多い絵画作品は、額装幀する際、長く平滑な状態を保てる様に少し緊張させる様にして固定することがあるが、何らかの原因でこの緊張が解けてしまうと、用紙が波打ったり、絵の具層に亀裂が入ったりする。絵画作品はどんなものであれ、良好な鑑賞性を得られる様にするためにも平滑な状態であることが望ましい。
用紙の波打ち変形や絵画層の亀裂は、画面と同じくらいのレベルより斜め下か上から光を当てることによってよく観察することができる。
◎作品の固定不調によって用紙が部分的に遊離し、不規則な波打ちが生じた例。
◎作品の固定不良に加えて、絵の具層の収縮により亀裂が生じた例。本作品は過去に掛軸装幀されていた様子であるが、あまり絵の具層の厚い作品を巻いて保管することは避けたい。
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