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2015年6月

2015年6月26日 (金)

長い展示の末に

一度壁に飾ったら、よほどの大掃除か壁の張り替えでもしない限り、絵画(額)の掛け替えなんてしない。一般にはそんな人が結構多いかもしれない。

額は絵画を展示する際に作品を際立たせる役割を持つと同時に、うまく作られた額は外界の温度や湿度のバリヤーとなり、紫外線を吸収する樹脂ガラスを装着すれば光による変色、退色の要望効果も持たせることができるが、良い額を作るのもなかなか難しく、知識と技術のある店で相応の出費を覚悟する必要もあるし、どんなに良い額であっても、何年も、何十年も放っておいては色々と問題が生じてくる。
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◎写真の額は定期的に手入れをされていた様子で、額の外側は比較的綺麗だったが、額材料自体の劣化が顕著で、部材同士の隙間には埃の固まりや虫食い痕、虫鞘などが発見された。部材を固定していた釘は全て錆び付き、一部は木材を浸食、変質させていた。こういった症状は、額をバラバラに分解し、内側を、奥底を除いてみてはじめてわかる(ある程度の予想はつくのだけれど)ことも少なくはない。
長く同じ場所に額をかけておくと、背面に湿度がたまり、そこに黴が生えることもある。とくにこの梅雨の時期は注意が必要だ。
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