今日の仕事
長い間掛軸を床の間に掛けっぱなしにしていると、表裏に結構な埃が堆積する。このまま放っておくと、湿度の高い時期には黴の温床ともなるし、シミや変色の原因にもなる。埃が付着、堆積したまま箱に入れてしまうと、巻いたおりに表裏についた埃がいっしょくたになり、さらに作品を汚してしまう。
私の工房にも結構な汚れをまとった作品が持ち込まれるが、修復にあたっては、まずこの付着した汚れを取り除くことからはじめる。作品の表面に付着した埃の類いは、キメの細かい柔らかなスポンジを使ってそっと撫でる様にすると、スポンジに空いた穴(気泡)に細かい粉塵も引っかかってよく取れる。
◎専用のスポンジも各種販売されているが、ドラッグストアなどで販売されているメイク用のスポンジの使い勝手も良い。
« ちょっと大きな掛軸を仕上げる | トップページ | 長い展示の末に »
「保存修復」カテゴリの記事
- 絵画の擬人化 (2023.05.14)
- 保存修復の秘密(2023.04.30)
- 私たちはなぜ修復をするのか(2023.03.10)
- あらためてパティナという古色を考えてみる(2022.11.10)
- 額装の心得 その1. ーガラスは作品に密着させないー(2022.10.13)
コメント