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2015年4月

2015年4月22日 (水)

今日の仕事

長い間掛軸を床の間に掛けっぱなしにしていると、表裏に結構な埃が堆積する。このまま放っておくと、湿度の高い時期には黴の温床ともなるし、シミや変色の原因にもなる。埃が付着、堆積したまま箱に入れてしまうと、巻いたおりに表裏についた埃がいっしょくたになり、さらに作品を汚してしまう。

私の工房にも結構な汚れをまとった作品が持ち込まれるが、修復にあたっては、まずこの付着した汚れを取り除くことからはじめる。作品の表面に付着した埃の類いは、キメの細かい柔らかなスポンジを使ってそっと撫でる様にすると、スポンジに空いた穴(気泡)に細かい粉塵も引っかかってよく取れる。
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◎専用のスポンジも各種販売されているが、ドラッグストアなどで販売されているメイク用のスポンジの使い勝手も良い。

2015年4月 3日 (金)

ちょっと大きな掛軸を仕上げる

およそ4ヶ月にわたる修理を終え、最後の仕上げ。写真の掛軸は幅およそ2m、高さが3mほどの大きな掛軸になる。これぐらいの大きさになると、一人ではなかなか手が届かないこともあって、二人掛かりで仕上げ作業を進める。仕上げた後の取り扱い、展示収納もなかなか大変だ。

この掛軸の仕上げをもって年度末の仕事が全て終了。来週からは心機一転。また新たな気持ちでがんばろうと思う。

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◎掛軸の下部には巻き上げるための心棒として、杉などの木材で作った丸い棒を装着する。普通の掛軸のおよそ3〜4倍程度の大きさになる掛軸は、木材製の心棒を装着するとかなりの重量になるし、木材の特性として、大きな素材ほど湿度による反りや経年による収縮変形も大きい。私の工房では、大型の掛軸を制作する場合、軸棒に紙筒(中性、中空)を使用することで重量負担を軽減する様にしている。この紙筒は、木材に比べて軽いだけでなく、必要充分な強度があり、反り、変形も生じにくい。

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