熱して剥がす
戦後間もないころ、日本はアメリカの占領下にあったため、郵便物は検閲の対象として無断で開封され、検閲後はGHQが開封した印としてスタンプを押し、開封した箇所に接着テープを貼って再封印した。これはそんな戦後の記録資料。
劣化した接着テープ(セロファンテープの類い)は接着剤が変質、溶解し、被接着物を汚損させることが多く、除去、廃棄するが、このテープについては資料製があるものと判断し、分離の後に別に保管する様にした。接着テープの接着剤にはいろいろな種類があり、全てに当てはまるものではないが、セロテープやガムテープ、いろいろな製品に添付されるラベルシールなども、加温することで接着剤が緩み、剥離しやすくなる場合が多い。
◎専用の加温装置でテープ部を暖めているところ。
この装置には健常部、不要な箇所に熱風があたらない様に細い吹き出し口を装着している。
◎検閲により開封された跡。
テープにはOPEND BY MIL.CEN.CIVIL MAILSと印刷されている。
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