海辺のカフカ
週末に赤坂のactシアターで村上春樹原作、蜷川幸雄演出の『海辺のカフカ』を観てきた。
重要な舞台装置として登場する大きなガラスケースには、底から青白い光が灯り、書斎や本棚、トラック、バス停、自動販売機、公衆トイレなどが収められている。それは現実の世界から切り抜かれ、閉じ込められた時空間の様で、度々舞台の上を縦横に交差し、入れ替わり、役者はその時空を超えるようにケースを出入りしながら物語は進んでいった、、、。
私は村上春樹の大ファンという訳でもないのだけれど、原作は発売当初に読んでいて、断片的に物語を覚えていた。けれど、舞台はまったく別なものとして、今まで観たことのない、不思議で異様なたたずまいをもつ世界に吸い込まれるような時間を過ごした。