東京レスタウロ
40年以上前のことになるけれど、私は東京の目白に住んでいた。ちょうど目白通りと首都高速5号線を挟んだあたり。近くには椿山荘があって、子供の頃には蛍狩りにいった。目白通りには、当時チンチン電車と呼ばれていた黄色い都電が走っていて、よく母につれられてあちこちでかけた。当時住んでいたアパートにはお風呂がなく、夕方になると銭湯に行くのがとても楽しみで、大きな湯船がお気に入りだった、、、。先日、友人から届いた本を読んでいると、子供の頃のそんな記憶があふれるようにわいてきて、なかなか読み進めなくなってしまった。
戦後、ためらうことなく古い建物を壊し、どんどんと新しい風景をつくってきた日本。でも最近は、古い建物に魅力を感じる人が増えてきているのだろうか。よく注意をしていると、結構な年季の入っている建物を上手く再生して、新しい形で利用をしている施設が、街のあちらこちらで目につくようになった。そこはちょっと懐かしいたたずまいも漂わせながら、一歩奥へと足を踏み入れると、小粋なスパイスが効いた新しい時空間が待っていて、何か不思議な心地よさを感じる場所がある。
紹介された施設、建物の中には、私もお気に入りの場所があり、著者自身が撮影した写真を眺めているとまた行きたくなる。皆さんも足を運んでみては如何だろうか
民岡さん、素敵な本をありがとう。
『東京レスタウロ 歴史を活かす建築再生』 民岡順朗著
ソフトバンク新書195
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