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2012年4月13日 (金)

のぞく

調査段階でも利用をするが、最近の修復処置は厳密な作業が求められるので、ルーペや顕微鏡を利用しながら作業することも多い。レンズはスタンド型の大きなものから眼鏡にクリップするもの、理化学実験で利用する様な顕微鏡も使う。顕微鏡から見た像は天地左右が逆転することを知っている人は多いかと思うが、これでは覗きながらの作業はできないので、私たちの使う顕微鏡は肉眼で見えるのと同じ位置に見え、両眼で覗きながら作業ができるものを使う。

Img_0891loupe1
眼鏡にクリップで装着するタイプ(左)とヘッドバンドがついたルーペ(右)。
ヘッドバンドタイプを使う人が多いようだが、私は視界が明るいクリップタイプが好み。


Img_0894microscope2
双眼実体顕微鏡。アームがついていて上下左右、前後に顕微鏡を移動出来る。

かつて修復家を目指す学生の教育に携わっていた友人は、調査の際に『すぐに顕微鏡で見るな』と説いていた。顕微鏡やルーペで観た世界は視野がとても狭くなり、それだけでは見逃すことも多い。修復家は、自分の目を鍛える必要もある。

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