フォト
無料ブログはココログ

« 第19回『和紙文化講演会』 開催のお知らせ | トップページ | ミクロの決死圏 »

2011年9月22日 (木)

山あり谷あり

絵画はたとえ額装されていても、作品を保護するガラスが装着されていなければ裸同然。長い間壁にかけたまま(あるいは半ば放置された)にしておくと、ホコリやチリの他、家庭であればタバコの脂や害虫の糞などいろいろな汚れが付着する。ガラスが装着されていても、空調管理が悪いと簡単に結露が生じてカビも生えるし、カビが生えるとそれを餌にするダニもやってくる。
現代絵画(東洋絵画も西洋絵画も)には表面(筆致、筆あし)が凸凹している作品が多い。こういった作品は汚れも付着しやすく、付着してしばらくすると取り除くのも結構たいへんになる。筆致はうねうねと不規則で山あり谷あり。切り立った崖や落とし穴のような深いクレパス。さらに遥かな経年を経て傷んだものならば不用意なアタックは禁物。しっかりと観察をし、十分な準備をして、なお慎重にアプローチをする。


写真は絵画の洗浄方法の一例。洗浄液をしみ込ませた綿棒を使って少しづつ汚れを取り除く方法。綿棒は一般に利用されている物ではなく、先を針のように尖らせた物で、必要に応じて自ら制作もする。Img_0477cleaning


« 第19回『和紙文化講演会』 開催のお知らせ | トップページ | ミクロの決死圏 »

保存修復」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 山あり谷あり:

« 第19回『和紙文化講演会』 開催のお知らせ | トップページ | ミクロの決死圏 »