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2009年7月 7日 (火)

防虫剤の話

近隣のスーパーやドラッグストアの棚には、色とりどりのパッケージで様々な形の防虫剤が販売されている。このほとんどが『衣服』の防虫、保管のために開発されたものだが、最近、この種の防虫剤を掛軸や額の収納箱に入れて使う例を目にする。市販の防虫剤には、銅など一部の金属に反応を示す成分が入っているので、錦糸(通常、薄い金属箔を和紙などで裏打した後、糸の様に細く裁断したもの、金箔には銅が混じっている事が多い)のはいった織物、衣服、銅成分を含む絵の具(絵の具の色素となる顔料には銅を含む鉱物を原料とするものも多い)が塗布された絵画などには利用してはならない。また、樟脳とパラジクロルベンゼンを主体とする防虫剤を密閉した環境で併用すると、発生したガス同士が混じり合い、化学反応を起こして液化し、納めたものを汚損させることがある。防虫剤を使う事を否定するものではないが、防虫対象が貴重なものであればあるほど、安易な使用は避けるべきだし、私は直接的な使用(納める容器、箱の中に直接入れたり、接触させる様な使い方)も薦めない。異種の防虫剤を併用するのも避けるべきだ。
大切なものの保管には、まずは害虫の侵入しない、侵入し難い場所、環境を選ぶ(あるいはつくる)ことに努めて欲しい。防虫剤を利用するならば、収納箱、保存容器内で直接的に使うのではなく、その収納箱、容器の外側で、保管する部屋や棚、タンスなどに間接的な利用をするのが安全だ。
全ての防虫剤は、限られた条件、利用方法でよい効果を発揮する(どんなものでも使えば良いというモノではない)。そしてこの効果は、条件と使い方が変わる事によって、ときに『逆効果?』さえ発揮してしまうことがあるから、利用に際しては必ず使用説明書、注意書きをしっかりと読んでほしい。

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