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2019年4月13日 (土)

まだ間に合うかも

昨年の暮れからずっと忙しくて、なかなか休みが取れず、Cinelli号でおよそ4ヶ月ぶりのサイクリング。

今日は朝から晴れ渡り、日中は暖かくて穏やか。このところ、数日おきに冷え込んでいたせいか、多摩川の桜は今日もまだ見頃。

気持ちの良い1日だった。

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2019年2月27日 (水)

返却準備

1月の始めから続けてきた仕事も無事に終了し、返却の準備をしている。額や掛軸に装幀した作品の取り扱いは比較的に便利で、たいていの場合は専用の収納箱も作るので、安心して移動、搬送することができるが、装幀しない一枚物の絵画や資料は取り扱いが難しい。折りたたんだり、丸めたりすることもできないので、平らにして運ばなければならないし、大きなサイズの作品の場合は結構苦労する。

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◉版画作品や古地図など、一枚物の作品や資料の移動や搬送に際しては、
一枚ずつ清潔な紙で包み、強度のある材料で挟んで固定するのが良い。
挟んだものの中で、作品が移動しないようにすることも肝心だ。

2019年2月 4日 (月)

1月の仕事

月の仕事今年は年始から100号を超える作品が数点持ち込まれた。いずれも額装幀されていたが、不良な額材料によって作品が汚染されていたため、古い額を解体して作品を分離し、下張り紙や裏打ち紙を取り除いた後、描画部の定着補強や洗浄など必要な処置を行って、改めて裏打ちを行なった。

東洋の絵画は薄い紙や絹織物に描かれていることが多く、このままでは取り扱うことが困難なので、ほとんどの場合、背面に薄い紙を貼り付けてある。『裏打ち』とは、絵絹や画用紙の裏面に紙を貼り付ける作業や貼り付けた紙を指して言う。
汚染された作品は大抵の場合、作品に密着した裏打ち紙も汚染されているので、これを取り除くことはとても大きな効果がある。 けれども裏打ち紙の除去作業は難儀、困難なケースが多くて、接着剤がなかなか溶解できないことも少なくないし、経年による劣化が進み、激しく傷んだような作品に施された裏打ちは、作品本体をさらに傷つけないように取り除くのがなかなか難しく、肉体的にも精神的にもキツイ仕事になることが多い。
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◉一通りの処置を終えて仮張りに張り込んだところ。大きな作品の修復処置は結構な根気がいる。

2018年12月19日 (水)

粋なコーラス

初めてマンハッタントランスファーを聴いたのは高校生の頃だったろうか。モダンで、卓越した、スタイリッシュなコーラスに魅かれてよく聞いていた。

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"Mecca for Moderns"  The Manhattan Transfer 
  • レーベル: Atlantic / Wea
  • ASIN: B000002I8F
  • JAN: 007567814822
"A Nightingale Sang in Berkeley Square" が素晴らしい。

仮張りの清掃と修理

仮張りとは襖状のパネルの表面に柿渋を塗布したもので、東洋絵画の修復、表装作業に欠かせない道具。裏打ちした作品の周囲(対象よりも少し大きめな裏打ち紙を使って糊しろを作っておく)に糊づけをして固定し、裏打ちによって湿って伸長したものが、乾燥過程で収縮する作用を利用して、ピンと平滑に仕上げる。 この仮張りは、何年も使っていると仮張り表面に糊しろとしていた紙や紙繊維が堆積し、多少なりとも表面が凸凹になってくるので、数年おきに、状態を見てこの紙くず、繊維くずを取り除いて綺麗する。私の工房では、結構多様なものを修復しているので、図らずも仮張りの表皮を傷めてしまうことがあるので、必要に応じて修理をし、柿渋も塗布する。

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今年は大小合わせて6枚程の清掃、修理を行った。
柿渋を塗布したものは1〜2ヶ月ほど置いてから使用する。

2018年10月22日 (月)

ライブ鑑賞

同じ修復家の友人に誘われて、ジャズのライブに行って来た。小さなライブハウスは満員。国内有数の音楽家と新進気鋭の若手が集い、ウェザーリポートからチャーリーパーカーまで、時代を超えた幅の広いジャンルの演奏。とくに後半の演奏は、バンドの一体感が増し、とてもイイ感じだった。

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◎サックスプレイヤーの浦ヒロノリさんは友人の息子さん。
<https://ameblo.jp/urachanblog/> うらちゃんのブログ

2018年10月10日 (水)

ほっと一息

7月から継続してきた仕事が終了してほっと一息。この夏は猛暑に負けて、ほとんど自転車に乗ることが出来ず、さらに先月は雨降り続き。先週末にようやく愛車チネリに乗ることが出来た。気がつけばもう10月。空気がガラリと変わり、気温が上がっても爽やか。いつものコースをゆっくりと流し、途中、最近お気に入りの*コーヒー店で挽きたて、入れたてのコーヒーを楽しみ、多摩丘陵を登ったり降りたり。ゆったりと楽しい一日を満喫。

*タックビーンズ http://takbeans.com
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3ヶ月の攻防

今年は7月の頭に全12点もの絵画が持ち込まれ、掛かり切りで修復作業を続けてきた。結構苦労の多い仕事ではあったが、今年はとくに夏休みの予定もなかったし、この夏の猛烈な暑さの中では、涼しい工房の中で仕事をしていた方が楽だった様にさえ思う。

気がつけば3ヶ月余りが過ぎ、季節も変わる頃。今年は作業の補助にも恵まれて、当初の予定よりも早く、無事に仕事を終えることが出来た。

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◎完成した作品を収納箱に納めた状態。作品は6点ずつ6曲の屏風に装幀した。

2018年9月20日 (木)

屏風は蝶番が肝心

7月の末から六曲一雙の屏風に装幀された絵画作品12点の修復を続けている。絵画本体の基本的な処置はおよそ終えて、今月より修復した絵画を再び固定する新たな屏風下地の制作をはじめた。屏風は下張りも大切ではあるが、屏風として成立するための一番重要な要素が蝶番。この蝶番は厚手の和紙を使ったもので、一般に知られている蝶番(例えばピアノの蓋についている様な蝶番)とは異なって、蝶番の支点が移動し、前面、背面と自由に折り返し、展開することが出来るスグレモノ。

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この屈曲方法を考案した人は定かではないが、スグレタ人物だったに違いない。   

2018年8月21日 (火)

下張りが肝心

近年の東洋絵画は厚手の紙に描かれることが多く、たいていは木製のパネル(ベニヤ板の裏面に木枠を取り付けたもの)に固定され、額装幀されて利用される。画用紙をパネルに固定する際には、必ず和紙などで何層かの下張りをする必要があるが、この基礎工事をしないで作品を直接固定すると、後に修復が必要となった際に分離が困難になるし、作品に大きな損傷を及ぼす危険性も高くなる。

大きな絵画作品になると、パネルに張り込んだ後の画用紙の緊張も高くなるため、下張りをキチンとしておかないと裂傷が生じやすくなり、絵の具が厚く塗られた絵画も柔軟性がないので亀裂が生じやすい。パネルに利用されるベニヤ板もクセモノで、ベニヤ板の生産時に使用される接着剤や防虫剤からガスが発生し、絵の具などに変色を来す。さらにベニヤ板は経年を得ると変色をし、その色素が画用紙に転移し汚染させてしまうこともある。

貴重な作品にはベニヤ板製のパネルは利用を避けるべきではあるが、安価で必要な強度を得られるために利用者は多い。利用する場合は作品を直接接触させない様、中性紙などでバリア層を形成し、そしてなおしっかりとパネルに固定出来る様、下張り施工は欠かせない。


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◎画面に亀裂が生じた例。


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◎ベニヤ板による汚損。

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